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せきようかんじけんのしんそう
赤耀館事件の真相
海野 十三
線上閱讀海野 十三《赤耀館事件の真相(せきようかんじけんのしんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,797 字 · 60 頁
この陽気さに赤耀館の悪魔は今夜、どこかの隅へ追放されなければなりませんでした。
競技が始ると一座はしんとして来ました。折々「チー」や「ポン」の懸声があちこちに起り、またガチャガチャと牌をかきまわす異国情調的な音が聴えて来ました。どうしても来ない客が二人ほどあったために兄夫婦はあとにのこっていなければなりませんでしたが、賀茂子爵のアドヴァイスにより、夫妻の卓には姪の百合子と執事の勝見とが入って競技をはじめることになりました。
二荘目の東風戦に、少女麻雀闘士の明子さんが、九連宝燈という大役を作りあげたので、その卓の近所からはわッと喚声が湧き上りましたが、それを最高潮として、一座はだんだん気味のわるい静寂に襲われて来ました。兄夫妻の卓では、勝見がしきりに大当りをやっていましたが兄と嫂との方は一向にふるわず、二回戦の終りに兄は四千点以上も負けてしまいました。嫂は嫂で、何をぼんやりしていたものか満貫をふりこみました。百合子は、大して上手な方ではなかったが、兄夫妻の当らないためにか、すこし宛勝っていた様子でした。
第二回目の戦が終ったのが午後九時すこし前でした。