輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せきようかんじけんのしんそう
赤耀館事件の真相
海野 十三
線上閱讀海野 十三《赤耀館事件の真相(せきようかんじけんのしんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,797 字 · 60 頁
赤耀館の主人、松木亮二郎は、思いの外、上品な、そして柔和な三十過ぎの青年紳士に見えた。しきりに、漆黒の髪が額に垂れ下るのを、細い手でかき上げるのが、なんとはなしに美しかった。私が夢から醒めきらぬような顔付をしているとて、にやにや笑ったが、愛想よく食後の葉巻煙草などをすすめて呉れた。高い天井には古風なシャンデリアが点いていたが窓外にはまだ黄昏の微光が漾っているせいか、なんとなく弱々しい暗さを持った大広間だった。段々と気持も落付き、この上強いて気になることを神経質に数えあげるならば、主人公の顔貌が能面でもあるかのように上品すぎることと、その胆汁が滲みだしたような黄色い皮膚と、そして三十女の婦人病を思わせるような眼隈の黝ずみぐらいなものであった。しかし軈てそれさえすこしも気にならなくなった。というのは、主人公の語り出した所謂「赤耀館事件の真相」なるものが私の想像以上に複雑とも奇々怪々ともいうべきものであって、飢え渇いていた私の猟奇趣味は、時の経つのも忘れてその物語を聞き貪ったことである。
さて、赤耀館主人は語る――。
赤耀館の顛末は、新聞記事で、既によくご存知のことと思います。