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せきようかんじけんのしんそう
赤耀館事件の真相
海野 十三
線上閱讀海野 十三《赤耀館事件の真相(せきようかんじけんのしんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,797 字 · 60 頁
「尾形さん。貴方は、大変な事実を見落していなさるよ」赤星探偵は椅子に腰を下したまま、すこし緊張に顔を赤らめてそう言ったことです。
「赤星君、君は何かを発見したかネ」
「発見したとも。犯行も、犯人も、まるで活動写真を見るように、はっきりと出ているじゃないか」
「冗談はよしてくれ、まさかそんな馬鹿なことが……」
「では兄は誰かに殺されたのでございますか?」百合子は、たまりかねて、こう質問しました。
「勿論、殺されたに違いありません」と赤星探偵は黒い眼鏡をキラリと光らせ乍ら、静かに言ったのです。「犯人を見出す見当はついたのです。そうですな、もう三十分もすれば、すっかり説明をしてあげます。尾形さん、もう十分もたてば、例の通り打合せて置いたから、この室へ電気が通ずるだろう。そうすると、あの配電盤の真白い大理石の上に、赤い電球が点くから、あなたはそれを注意していて下さい。その前に私は計算をしなければならないので、一寸失敬するよ」
こう言って赤星探偵は懐中から広い洋紙と、細長い計算尺と、それから掌に入りそうな算盤とを出して卓子の上に並べました。それから、つと立ち上ると、兄の死んでいた場所の近くに、壁にとりつけられてあった自記式の気温計、湿度計、気圧計の中を開いて、白い紙が部厚にまかれたものをとり出しました。