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きんじせいろんこう
近時政論考
陸 羯南
線上閱讀陸 羯南《近時政論考(きんじせいろんこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,995 字 · 98 頁
第三期の政論
第一 国会期成同盟
兵馬の争いは言論の争いを停止するの力あり、鹿児島私学校党の一揆は、ただに当時の政府を驚駭せしめたるのみならず、世の言論をもって政府に反対する諸人をも驚かし、一時文墨の業を中止して投筆の志を興さしめたり。吾輩はこの期節をもって近時政論史の一大段落となす。しかして第三期の政論を紀するに先だち、ここに当時以後の政論に関し一言し置くべきことあり。何ぞや他にあらず、政事に係る新思想はこの変乱によりてほとんど全国に延蔓せしことこれなり。当時に至るまで政論を唱えたるものは主として東京にあり、かつ民間にありて政論に従事せしものはおもに旧幕臣または維新以来江戸に居留せし人々に係る、地方土着の士人に至りてはなお脾肉の疲せたるを慨嘆し、父祖伝来の戎器を貯蔵して時機を俟ちたる、これ当時一般の状態にあらずや。試みに全国を大別してこれを観察せんに、新しき政事思想を抱きて国事を吟味するものは文明の中心たる東京をもって本となし、これに次ぎたるは第二の都府とも称すべき大阪を然りとす。大阪は商業の地なり、何故に政事思想はこの地に発達せしか、いわく土着の人民然るにあらず、土佐人の出張所あるをもってなり。