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どうひょう

道標

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《道標(どうひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 頁

青空文庫

だけれども、あれが蜂谷のかんちがえだけだったと云えるのだろうか。蜂谷は伸子より率直に、伸子を光りもののようにした欲望を、ありのままに解釈したのではなかったろうか。

自分へのおどろきとともに、伸子は自分自身のわからなさへ、わけ入った。人間のこころの不思議さ。あのとき、欲望を欲望として自覚していなかった伸子が、そういうものとして行動したことを、伸子はやっぱり自分に許すしかなかった。でも、あのタワーリシチ、という言葉。――考えれば考えるほど伸子を考えこませる言葉――伸子の欲望とともに自覚されない奥底に育っていて、あのとっさに、動かしがたく作用したこのひとこと。――

これらはどれも、みんな伸子自身にとって不意うちだった。だれをどうとがめるよりも、蜂谷と自分との間に起って、そのどちらをもはねとばした電撃のあとを、伸子はびっくりして見直しているのだった。

伸子は歩きながら、いつもより疲れの感じられる声で蜂谷に云った。

「わたしも、ごめんなさい」

「僕は、伸子さんがそんな風にいうのは、いやだ。伸子さんてひとは、僕なんぞからみると、おどろくほどヒューマニスティックなんだ。