輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《道標(どうひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 頁
さ、もっとよくはいってあったまりなさい。泰造はそう云いながら、行儀よく着もののなかで膝をそろえて横たわっている伸子の脚に、自分の片脚をからめて、ひきよせるようにした。それは、全く自然な父親の情愛のしぐさであったけれども、同時に、男のしぐさでもあった。伸子は、その瞬間に感じたつよいはずかしさをいまでもおぼえていた。父は無邪気であり、自分は、結婚生活を知っている年かさの娘として、無邪気でなかった。そういう自分を伸子は忘れないのだった。
つや子がわかれて泰造の寝台へ行き、多計代は伸子と夜がふけるまで話した。話しにでることは、どれもこれも船の上でのことだった。それほど心がとけても、多計代は保については姉である伸子にかたく唇と心とを閉して、ひとこともふれようとしなかった。
四
ごたついた佐々のうちの一行にとって、皮肉なほど似合いのホテル・アンテルナシオナールでの生活がはじまったとき、伸子に思いがけない困難を感じさせた第一のことは、みんなの一日の行動のプログラムを組み立てるという仕事だった。
多計代の疲れは見た目にもあらわで、多計代が、できるなら食事もホテルの室でとって、安静にしていなくてはいけない状態であることは、あきらかだった。