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のわき
野分
線上閱讀夏目 漱石《野分(のわき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 頁
「過去を未来に送り込むものを旧派と云い、未来を過去より救うものを新派と云うのであります」
聴衆はいよいよ惑った。三百の聴衆のうちには、道也先生をひやかす目的をもって入場しているものがある。彼らに一寸の隙でも与えれば道也先生は壇上に嘲殺されねばならぬ。角力は呼吸である。呼吸を計らんでひやかせばかえって自分が放り出されるばかりである。彼らは蛇のごとく鎌首を持ち上げて待構えている。道也先生の眼中には道の一字がある。
「自己のうちに過去なしと云うものは、われに父母なしと云うがごとく、自己のうちに未来なしと云うものは、われに子を生む能力なしというと一般である。わが立脚地はここにおいて明瞭である。われは父母のために存在するか、われは子のために存在するか、あるいはわれそのものを樹立せんがために存在するか、吾人生存の意義はこの三者の一を離るる事が出来んのである」
聴衆は依然として、だまっている。あるいは煙に捲かれたのかも知れない。高柳君はなるほどと聴いている。
「文芸復興は大なる意味において父母のために存在したる大時期である。十八世紀末のゴシック復活もまた大なる意味において父母のために存在したる小時期である。