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のわき
野分
線上閱讀夏目 漱石《野分(のわき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 頁
明治の事業はこれで一段落を告げた……」
「ノー、ノー」と云うものがある。
「どこかでノー、ノーと云う声がする。わたしはその人に賛成である。そう云う人があるだろうと思うて待っていたのである」
聴衆はまた笑った。
「いや本当に待っていたのである」
聴衆は三たび鬨を揚げた。
「私は四十年の歳月を短かくはないと申した。なるほど住んで見れば長い。しかし明治以外の人から見たらやはり長いだろうか。望遠鏡の眼鏡は一寸の直径である。しかし愛宕山から見ると品川の沖がこの一寸のなかに這入ってしまう。明治の四十年を長いと云うものは明治のなかに齷齪しているものの云う事である。後世から見ればずっと縮まってしまう。ずっと遠くから見ると一弾指の間に過ぎん。――一弾指の間に何が出来る」と道也はテーブルの上をとんと敲いた。聴衆はちょっと驚ろいた。
「政治家は一大事業をしたつもりでいる。学者も一大事業をしたつもりでいる。実業家も軍人もみんな一大事業をしたつもりでいる。したつもりでいるがそれは自分のつもりである。明治四十年の天地に首を突き込んでいるから、したつもりになるのである。――一弾指の間に何が出来る」