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のみち

野道

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《野道(のみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,584 字 · 9 頁

青空文庫

茶にしている。土耳古帽氏は復び畠の傍から何か採って来て、自分の不興を埋合せるつもりでもあるように、それならこれはどうです、と差出してくれた。それを見ると東坡巾先生は悲しむように妙に笑ったが、まず自ら手を出して喫べたから、自分も安心して味噌を着けて試みたが、歯切れの好いのみで、可も不可も無い。よく視るとハコべのいのだったので、ア、コリャ助からない、じゃあ有るまいし、と手に残したのを抛捨てると、一同がハハハと笑った。

土耳古帽氏が真鍮刀を鼠股引氏に渡すと、氏は直にそれを予に逓与して、わたしはこれは要らない、と云いながら、見つけたものが有るのか、ちょっと歩きぬけて、百姓家の背戸の雑樹籬のところへ行った。籬には蔓草が埒無く纏いついていて、それに黄色い花がたくさん咲きかけていた。その花や莟をチョイチョイ摘取って、ふところの紙の上に盛溢れるほど持って来た。サア、味噌までにも及びません、と仲直り気味にまず予に薦めてくれた。花は唇形で、少し佳い香がある。食べると甘い、忍冬花であった。これに機嫌を直して、楽しく一杯酒を賞した。

氏はまた蒲公英少しと、蕗の晩れ出の芽とを採ってくれた。