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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

そして、まんいちの場合には、とびだしてくるつもりだったのです。」

明智は、まるで演説でもするように話しはじめました。

「高橋さんが、札たばのふろしきづつみをさげて、地下室へはいっていかれるのも見ていました。それから、しばらくして、高橋さんが、ひとりの少年をつれて出てこられたのも、刑事諸君が、そこへかけつけて、地下室へおりていくのも見ていました。そして、そっと入口の階段に近づき、中のようすを聞きますと、少年が賢二君のかえだまだったことや、怪人が消えうせたことがわかりました。

ところがぼくは、一度も目をはなさないで、この地下室を見はっていたのに、だれも、ここから出ていったものはなかったのです。この地下室には、階段のほかに出入り口のないことはたしかです。

暗くなってから、原っぱのむこうに、一台の自動車がヘッドライトを消してとまっていました。ぼくは、ふと思いあたることがあったので、その自動車に注意していたのですが、つい今しがた、それが、どこかへ走りさったのです。さっき、この地下室で、だれもいないのに、怪人の声が聞こえましたね。あの声のすぐあとで、その自動車は出発したのですよ。