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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
そこなら潜水作業もできるだろうと考えたのだよ。
そこでいよいよサルベージ会社にたのんで、金塊の引きあげをやろうと、いろいろな準備をしているうちに、この福永船長は大病にかかって、なにもできないようになり、三ヵ月ほどで死んでしまった。天罰があたったのだろうね。それで、まだ字のかけるあいだに、この遺言書をかいて、鉄の秘密箱をつくらせて、保険会社の証書と、ほんとうに大洋丸の沈んでいる場所をしるした海図といっしょにふうじこんで、じぶんのひとりむすこにのこした。
そのむすこが、賢吉君に鉄の箱をあずけたというわけだ。このむすこは、いくじのない男で、じぶんで引きあげて作業をはじめることもできず、いく人かのお金持ちに、引きあげの権利を売りつけようとしたが、そのころは、もうびんぼうになってしまって、きたないふうをしていたので、そんな男の『海底の大金塊』なんて、ゆめみたいな話は、だれも信用してくれなかったのだね。そして、いつのまにか二十年がたってしまった。そのことが、むすこの手で遺言書のはじに書きつけてあるのだよ。」
明智探偵の長い説明が、やっとおわりました。賢吉少年には、まだよくわからないところもありましたが、ともかく、二十億円の金塊が、潮ノ岬の沖に沈んだままになっていることは、なんだか、ほんとうらしく思われてくるのでした