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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

」

ふくめんの首領は、黒いマントをひるがえして、そのほうへ走りだしました。ジャックも、あとにつづきます。

「いる、いる。あすこを走っている。たしかに賢吉のやつだっ。」

首領は、いっそう足をはやめました。子どもとおとなですから、かけっこには、かないません。追うものと、追われるもののあいだは、みるみるせばまっていきました。ああ、あぶない、賢吉君にばけた小林少年は、いまに、つかまってしまうのではないでしょうか。

「あっ、あいつ階段をのぼっている。洞窟の外へ、逃げだす気だなっ。」

首領が、走りながら、いまいましそうに、いいました。その石の階段の上には、れいの陸上にひらいている、小さな穴があるのです。

首領は、とぶように、階段にかけつけ、下から少年の服をつかもうとしました。もう三十センチぐらいで、手がとどきそうです。

しかし、少年のほうが、すばやかったのです。かれは地上への出口の、草のはえたかたい土のかたまりをおしのけて、パッと穴の外へ、とび出してしまいました。

ふくめんの首領は、すぐそのあとから、穴の外へ、顔を出しましたが、そこをひと目みると、ハッとして首をひっこめてしまいました。