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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
」
「それじゃ、ほんとうの明智さんはどこにおられるのだろう。まさか、明智探偵まで、敵のとりこになったのじゃあるまいね。」
「二―三日、旅行中なのです。べつの事件で、大阪のほうへいかれたのです。きょうか、あす、お帰りになるはずだったので、ぼくは、にせものにだまされたのですよ。あいつが、先生とそっくりの顔と、そっくりの服で、いま帰ったよって、はいってきたものですから。」
「ふーん、きみまでだますとは、よくよく変装のうまいやつだね。だが、この落とし穴には、ぬけみちでもないのかね。なんとかして、ここを出るくふうはないのかね。」
「ぬけみちなんてありませんよ。ここへ落ちたら、もうおしまいですね。てんじょうまで四メートルもありますよ。はしらもなんにもないから、人間わざでは、のぼりつくこともできません。」
そのとき、ガタンという音がしたかとおもうと、てんじょうからパッと光がさしこんできました。おどろいて見あげますと、落とし穴の四角な板が、すこしひらいて、そこから人の顔がのぞいていました。
「ハハハ……、ご両人、なかよく話しているね。どうだね、落とし穴の、いごこちは?」
のぞいているのは、さっきのにせ明智でした。