輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
それも、むりはありません。その階段の上には、世にもおそろしい、ばけものが、うごめいていたからです。
それは、人間ほどの大きさの、一ぴきの、まっ黒なカブトムシでした。そいつが、自動車のヘッドライトほどもある二つの目を、ランランと光らせ、するどい、ながいツノをふりたてて、ゴソゴソと、階段を、はいおりてくるではありませんか。
この妖虫は、いかめしい、ずうたいのわりには、おそろしく、ぶきようなやつです。エッチラオッチラ、まるで、よっぱらいのようなかっこうで、さも、なんぎらしく、階段をおりてくるのです。
そうして、二―三段、はいおりたかとおもうと、ズルッと、足をすべらせました。ぶきような大カブトムシは、そこで、ふみとどまる力もなく、そのまま、おそろしい、いきおいで、階段を、すべり落ちたのです。立ちすくんでいる小使さんの目の前へ、サーッと、落ちてきたのです。
「ヒャーッ……。」
小使さんは、なんともいえない、きみょうな、さけび声をたてて、その場に、しりもちを、ついてしまいました。
大きなビルには、いないように見えても、どこかに人がいるものです。このさけび声をきいて、そうじ婦だとか、とまりこみの会社員などが、ふたり、三人―五人と、どこからかかけつけてきました。