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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
だれもいない二階の広間にかくれて、ひるねをしていることもめずらしくないのです。賢二君は、ひょっとしたら、青木が床の間に寝そべっているのではないかと思いました。それで、そっとはいっていって、「ワッ。」といって、おどかしてやろうと、考えたのです。
賢二君は音のしないように、しょうじをあけて、足おとをしのばせながら、そのうす暗い床の間へ、近づいていきました。
ぼんやりしていた、黒い大きなものが近づくにつれて、だんだんはっきり見えてきました。ああ、それはなんだったのでしょう。賢二君は、ギョッと立ちどまったまま、身うごきができなくなってしまいました。心臓がパッタリとまってしまったようで、からだじゅうから、つめたい汗がながれました。
そこには、あのおそろしい巨大な妖虫が、うずくまっていたのです。自動車のヘッドライトのような目を、ギョロリとさせて、いまにも、こちらへとびかかってくるようなしせいで、うずくまっていたのです。
賢二君は、じっと立ったまま、怪物と、にらみあっていました。にげようとして身うごきしたら、とびかかってきそうで、にげることが、おそろしいのです。