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くにさだえがく

鏡花短篇集 川村二郎編

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《鏡花短篇集 川村二郎編(くにさだえがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,644 字 · 40 頁

青空文庫

」

「あい。」

とその四冊を持って立つと、

「路が悪い、途中で落して汚すとならぬ、一冊だけ持って来さっしゃい、また抱いて寝るのじゃの。」

と祖母も莞爾して、嫁の記念を取返す、二度目の外出はいそいそするのに、手を曳かれて、キチンと小口を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の膝許に残しながら、出しなに、台所を竊と覗くと、灯は棕櫚の葉風に自から消えたと覚しく……真の暗がりに、もう何んにも見えなかった。

雨は小止で。

織次は夜道をただ、夢中で本の香を嗅いで歩行いた。

古本屋は、今日この平吉の家に来る時通った、確か、あの湯屋から四、五軒手前にあったと思う。四辻へ行く時分に、祖母が破傘をすぼめると、蒼く光って、蓋を払ったように月が出る。山の形は骨ばかり白く澄んで、兎のような雲が走る。

織次は偶と幻に見た、夜店の頃の銀河の上の婦を思って、先刻とぼとぼと地獄へ追遣られた大勢の姉様は、まさに救われてその通り天にのぼる、と心が勇む。

一足先へ駈出して、見覚えた、古本屋の戸へ附着いたが、店も大戸も閉っていた。寒さは寒し、雨は降ったり、町は寂として何処にも灯の影は見えぬ。

「もう寝たかの。