輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あめあがる
雨あがる
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《雨あがる(あめあがる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,794 字 · 43 頁
どこかしら歪んだしなびたような躯つきの、不自然に陽気なその猿廻しは、そんな挨拶をして、猿を背中にとまらせ、太鼓を叩きながら、足早に城下町のほうへ去っていった。
「天気は申し分なしですがねえ」小部屋へ戻って、暫くして伊兵衛がそう云った、「ともかくまだ二日めだし、先方でもなんとか云って来るだろうしねえ、黙って立つというわけにもいかないと思うんだが」
「そうでございますわね、でもわたくし、支度だけはしておきますわ」
「それはそうですとも、どっちにしても此処は出てゆくんだから……」
伊兵衛はどきりとして誇張していうと、かまきりのように首をあげた。馬の蹄の音が、宿の前で停ったのである。おたよも聞きつけたのだろう、これもはっとしたようだったが、すぐわれに返って包み物を続けた。伊兵衛は立って衣紋を直し、できるだけおちついた口ぶりで、「来たようだね」こう云いながら出ていった。
ちょうど土間へ牛尾大六が入って来るところだった。伊兵衛はどきどきする胸を抑え、できる限り平静を装い、やさしく微笑しながら上り端まで出迎えた。
「いや此処で失礼します」
牛尾大六は多少いまわしそうに、汚ならしい家の中を見まわして、このまえのときよりずっと切り口上で云った。