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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《雨瀟瀟・雪解 他七篇(あめしょうしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,414 字 · 289 頁
これには何か訳がありそうなはずである。しかしわたくしは茲に仔細らしく、わたくしばかりが唯一人、木戸御免の特権を得ている事について、この劇場とわたくしとの関係やら何やらを自慢らしく述立てる必要はないだろう。わたくしがそもそも最初にこの劇場の楽屋へ入り込んだ時、わたくしの年齢は既に耳順に達していた。それだから、半裸体の女が幾人となくごろごろ寐転がっている部屋へ、無断で闖入しても、風紀を紊乱することの出来るような体力は既に持合していないものと、見做されていたと言ったなら、これが何よりも一番簡単で要領を得た弁疏になるのであろう。イヤ文壇だの劇壇だのにおける、わたくしが過去半生の閲歴が、何だの彼だのと、そんな事から自然に生ずる信用が、どうだの、こうだのと、そんな気障な文句は言いたくもなければ、書きたくもない。それよりはまだこの別天地を見たことのない好事家のために、わたくしは何よりもまずオペラ館の踊子部屋というのは一体どんな処だか、試にこれを記述してみよう。
部屋のひろさはちょっと見たところでは、正しく数字には出しにくいが、踊子の人数の多いときには、二十人を越すことがあっても、目白押しにそれだけの人数は入れられるということで、大体は推察してもらいたい。