輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ゆき
雪
楠田 匡介
線上閱讀楠田 匡介《雪(ゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,792 字 · 50 頁
警部は署に電話をかけておいて犬ゾリで町へ下った。
ソリが、丸太造りの、階段のある旧式な建物の、警察署の前に止まると、警部は待ち切れないように、ソリからとび下りたが、
「うはあ、はははつめたい!」と悲鳴をあげて首をちぢめた。シズクがいきなり警部の首筋を叩いたのだった。
「どうしました?」
古市署長が立って来て訊いた。
「いや、どうも驚いた」
今日ばかりはさすがに窓も開け放しているが、いきなり入って行った警部の目には、真暗で、暫くは、何も見えなかった。
「お電話、ありがとう」
検事もいった。暗がりでまごまごして、警部は立ちすくんでいたが、目がなれると暖炉を囲んだ人々の顔が、見えた。
「いや、どうも、一寸考えついた事がありましてね。いやはや他国者にはなかなか判らん……寒い所には、寒さのためにこんがらがるものが、あるんですな」
そういって警部はすすめられた椅子に、腰をおろした。そして手を暖めながら、寒さに強ばった顔をごしごしとこすった。
暖い陽ざしが、窓から一ぱいに入り込んで、くすんだ埃っぽい庁舎も、今日ばかりは、まるで花束でもほうり込んだように、生々した光がはね返りあふれていた。