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ゆきざっき
雪雑記
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《雪雑記(ゆきざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,988 字 · 20 頁
それで先ずその区別が雪の結晶の形に現われて来るか否かを見る必要が出て来た。それには気温と水蒸気の温度とをそれぞれ厳密に一定に保ちながら雪を作って見るのが一番早道である。それで低温室の中に自働恒温装置を取付けた木箱を持ち込み、その内部では温度が常に一度の十分の二以上の変化のないようにして置いて、その中へ人工雪の製作装置を納めることとした。水蒸気を供給するための水槽の温度も勿論恒温装置を用いて一度の十分の一以内の精密度で一定に保つようにした。このようにして雪を作って見たところが、結晶の形がまるで変って来たのである。前には樹枝状の六花の結晶が出来た条件で、今度は大きい見事な角板が出来たりして全く驚かされてしまった。まだ始めて間もないのであるが、それでも人間の爪位の大きさの角板が出来たこともあった。この調子では手のひら位の大きさの雪の結晶を作る話も満更夢とばかりはいわれなくなって来た。
ところでこのように状態の偏差が結晶形にひどくきくとなると、どうしても髪の毛位の針金で熱電対を作って、結晶の直前の気温の変化を記録する必要が出て来た。小人島へは小人島の機械を持ち込まなければならないことは、実は前から分っていたのであるが、億劫だからなるべく胡魔化そうとしていたのが、とうとうばれた形である。