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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《雷峯塔物語(らいほうとうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,606 字 · 45 頁
「じゃ、この金は、女の方からもらったのだね」
李幕事はそう言って銀を手に取りあげた。そして、その銀の表に眼を落した。
「た、たいへんだ」
李幕事は眼を一ぱいに瞠って驚いた。
「何を、そんなにびっくりなさるのです」
細君には合点がいかなかった。
「この金は、邵大尉の庫の金だ、盗まれた金なのだ、庫の内へ入れてあった金が、五十錠なくなっているのだ、封印はそのままになってて、内の金がなくなっているのだ、臨安府では五十両の賞をかけて、その盗人を探索しているところなのだ、宣には気の毒だがしかたがない、我家から訴えて出よう、これが他から知れようものなら、一家の者は首がない、こいつは豪いことになったものだ」
李幕事は朝になるのを待ちかねて、許宣の置いて往った金を持って臨安府へ往った。府では韓大尹が李幕事の出訴を聞いて、銀を一見したところで、確かに盗まれた銀錠であるから、時を移さず捕卒をやって許宣を捉えさせ、それを庁前に引据えて詮議をした。
「李幕事の訴えによって、その方が邵大尉の庫の中の金を盗んだ盗賊と定まった、後の四十九錠の金はどこへ隠した、包まずに白状するがよかろう」