輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
れいき
霊気
豊島 与志雄
線上閱讀豊島 与志雄《霊気(れいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,440 字 · 3 頁
ただ一つ、「神よ、なんじは……。」それで初めて、「神よ」という呼気が生き上る。
人々に神を「なんじ」と呼ばしむるものは、神の有する霊気である。その霊気は、一方に人を親しませなずかしめると共に、他方にまた、人に厳粛なる畏敬の念を起させる。そして人はその霊気に打たれて、親愛な而も神聖な心持を以て、「神よ、なんじは……。」と呼びかけてゆく。
槍ヶ岳に対して「槍は……」と云うことは、神に対して「なんじは……」と云うことと、相通ずる語気である。信仰者の心を以てすれば、神に対して「なんじは……」となり、真の登山者の心を以てすれば、槍ヶ岳に対して「槍は……」となる。神の霊気が……山岳の霊気が、人の心を打って惹きつけるのである。
不思議なのは、語気の持つ感じである。奥深い感情をも直接に現わす語気、それが如何に不思議なものであることか。
それにしても、燕岳の肩に辿りついて、日本アルプス連山を一眸の下に集め、「槍が……穂高が……」とおのずから出る語気、その語気の底に籠ってる心境こそは、一度経験した者は生涯忘れ得ないであろう。