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れいこんだいじゅうごうのひみつ

霊魂第十号の秘密

海野 十三

線上閱讀海野 十三《霊魂第十号の秘密(れいこんだいじゅうごうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,100 字 · 86 頁

青空文庫

うしろには小屋が並んでいた。そのどれかが牛小屋になっているらしい。

かたかたかたと、いやに機械的なひびきが聞えてきた。ずっと西の方にあたる。その方へ隆夫の霊魂はのびあがった。トラクターが動いているのだった。土地を耕している。それは遥かな遠方だった。

「広いところだなあ。一体ここはどこかしらん」

すると、彼の前へ、とつぜんパイプをくわえ、肩に鍬をかついだ農夫が姿をあらわした。そして農夫の顔を見たとき、隆夫のたましいは、あっとおどろいた。

「ややッ、ここは日本じゃないらしい」

農夫は白人だった。

白人の農夫がいるところは、日本にはない。しばらくすると、小屋のうしろから、若い女の笑い声が聞えて、隆夫のたましいの前へとび出して来たのは、三人の、目の青い、そして金髪やブロンドの娘たちだった。

「たしかにここは日本ではない。外国だ。どうして外国へなど来てしまったんだろう」

そのわけは分らなかった。

隆夫のたましいは、農夫たちの会話を聞いて、それによってここがどこであるかを知ろうとつとめた。彼らの話しているのは、外国語であった。それはドイツ語でもなく、スラブ語でもなかったが、それにどこか似ていた。