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きりがくれいかほのゆけぶり

霧陰伊香保湯煙

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《霧陰伊香保湯煙(きりがくれいかほのゆけぶり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,546 字 · 234 頁

青空文庫

奴が幾つも八重になって紮んで居ます、其処へ陥いりましたはお藤と云う女の運が好いので、藤蔓と藤蔓の間へ身が挟まって逆さまに成りましたから、髪も乱れ、お藤は一生懸命に藤蔓へ掴まったなり気が遠くなりました。

女「あゝ……」

と云う声に恟りして市四郎が仰向いて見ますと、一人の女が藤蔓の間に挟まって下って居ましたから、

市「おゝ/\落ちたこと、あゝ危い」

と素より勝手を知って居りますから、忽ちに市四郎が岩角に捕まって這い上り、樹の根へ足を蹈ん掛けて彼のお藤を助けまして、水を飲ませ脊を撫り、

市「何か薬でもあるか」

と聞きましたが、お藤は更に物も云えません様子だから流れの水を飲ませ、脊中を撫り、種々介抱致して居る中に漸く生気に成って、

藤「実はこれ/\の悪党の為に騙されて此様な難に遭いましたが、従者の下婢岩と申すのは、何う致しましたか、何卒お探ねなすって下さいまし」

市「ムヽーそれは飛んだ事だった、私が往って探して上げやんしょう」

と素より侠気の人ゆえ、御案内の通り恐ろしい谷間の急な坂を登って参り、庚申塚の在ります折田の根方へ来て見ますると、血が少し流れて居るのみで、供の女中岩と申す