輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ほしみせ
露肆
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《露肆(ほしみせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,973 字 · 32 頁
「今に御覧じろ。」
と遠灯の目ばたきをしながら、揃えた膝をむくむくと揺って、
「何て、寒いでしょう。おお寒い。」
と金切声を出して、ぐたりと左の肩へ寄凭る、……体の重量が、他愛ない、暖簾の相撲で、ふわりと外れて、ぐたりと膝の崩れる時、ぶるぶると震えて、堅くなったも道理こそ、半纏の上から触っても知れた。
げっそり懐手をしてちょいとも出さない、すらりと下った左の、その袖は、何も支えぬ、婦は片手が無いのであった。
九
もうこの時分には、そちこちで、徐々店を片附けはじめる。まだ九時ちっと廻ったばかりだけれども、師走の宵は、夏の頃の十二時過ぎより帰途を急ぐ。
で、処々、張出しが除れる、傘が窄まる、その上に冷い星が光を放って、ふっふっと洋燈が消える。突張りの白木の柱が、すくすくと夜風に細って、積んだ棚が、がたがた崩れる。その中へ、炬燵が化けて歩行き出した体に、むっくりと、大きな風呂敷包を背負った形が糶上る。消え残った灯の前に、霜に焼けた脚が赤く見える。
中には荷車が迎に来る、自転車を引出すのもある。年寄には孫、女房にはその亭主が、どの店にも一人二人、人数が殖えるのは、よりよりに家から片附けに来る手伝、……とそればかりでは無い。