輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《青べか物語(あおべかものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 頁

青空文庫

でろあま」

ゆい子は毎晩、夜具のまわりに砂の垣を作った。だんだん口数が少なくなり、顔色も冴えず、いつもひどく疲れはてたように、動作がぐったりと重たげにみえ、また、夜も熟睡ができないようであった。

――自分でも喪が重荷になってきたんだな。

五郎さんはそう推察し、心の中で、カレンダーがあと三枚になったことを慥かめた。そうして、その三枚めも剥がれて、つまり七十六日めの夜になったとき、ゆい子がやはり夜具のまわりに砂垣を作るのを見て、五郎さんは瞞着されたような気持におそわれた。

――もう昨日で喪はあけたよ。

そう云おうと思った。口まで出かかったのであるが、五郎さんはそれをのみこんでしまった。急に「男の意地」といったような、かたくなな気分がこみあげて来、勝手にしやがれ、と肚の中でどなった。そっちがそうするならこっちもこっちだ、知るもんか、と彼は肚の中で続けてどなった。

七十七日めの夜も同じ、次の夜も同じというぐあいで、砂垣は夜ごとに作られ、五郎さんはビールを飲み始めた。「みその」から四軒おいて「四丁目」という洋食屋がある、店先に掛ける暖簾には、ただ御洋食としか書いてないが、土地の者は「四丁目」