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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
線上閱讀倉田 百三《青春をいかに生きるか(『しゅっけとそのでし』のついおく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 頁
彼が一生待ち望んでいた仏陀の霊山に帰還した。そこでは並びなき法華経の護持者としての栄冠が彼を待っていることを門弟、檀那、帰依の大衆は信じて疑わず、声をうち揃えて、南無妙法蓮華経を高らかに唱題したのであった。
毎年十月十八日の彼の命日には、私の住居にほど近き池上本門寺の御会式に、数十万の日蓮の信徒たちが万燈をかかげ、太鼓を打って方々から集まってくるのである。
スピリットに憑かれたように、幾千の万燈は軒端を高々と大群衆に揺られて、後から後からと通りに続き、法華経をほめる歓呼の声は天地にとよもして、世にもさかんな光景を呈するのである。フランスのある有名な詩人がこの御会式の大群衆を見て絶賛した。それは見知らぬ大衆が法によっておのずと統一されて、秩序を失わず、霊の勝利と生気との気魄がみなぎりあふれているからである。
日蓮の張り切った精神と、高揚した宗教的熱情とは、その雰囲気をおのずと保って、六百五十年後の今日まで伝統しているのだ。
彼はあくまでも高邁の精神をまもった予言者であり、仏子にして同時に国士であった。法の建てなおし、国の建てなおしが彼の一生の念願であった。