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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
線上閱讀倉田 百三《青春をいかに生きるか(『しゅっけとそのでし』のついおく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 頁
ブース大将の母、後藤新平の母、佐野勝也の母などもそうである。また貧しい家庭では、たとい父親のある場合でも、母親は子どもの養、教育の費用のために犠牲的に働くのだ。それが母子の愛を深め、感謝と信頼との原因となるのはいうまでもない。愛してはくれるが、働いてくれるには及ばなかった富裕な家の母と、自分の養、教育のために犠牲的に働いてくれた母とでは、子どもの感情は大変な相異であろう。労働と犠牲とは母性愛を神聖なものにする条件だ。佐野勝也氏の母は機を織ったり、行商したりして子どもの学資をつくった。後藤新平は母の棺の前に羽織、袴で端座して、弔客のあるごとに、両手をついて、「母上様誰それがきてくれました」と報じて、涙をこぼしたということだ。
母親が子どもを薫陶した例は昔から枚挙にいとまない。
孟子の母の断機、三遷の話、源信僧都の母、ガンジーの母、ブースの母、アウガスチンの母、近くは高村光雲の母など、みな子どもを励まし、導いて、賢い、偉い人間になるように鼓吹した。それは動物的、本能的な愛からもっと高まって、精神的、霊的な段階にまで達した愛である。実際厳しいところのある母を持った子は幸いである。