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『しゅっけとそのでし』のついおく

青春をいかに生きるか

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《青春をいかに生きるか(『しゅっけとそのでし』のついおく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 頁

青空文庫

自由とは自然法則に従って進行する一系列の現象を自ら始める絶対的に自発的な原因または能力と呼んだ。すなわち、「何々からの自由でなく、規定の一つ多い積極的自由である。規定が一つ減じることは因果律が許さないが、一つ増加することは差支えない。しからばかかる規定者はどこからくるか。カントは人間の英知的性格の中にその源を求めた。しかし自由を現象界から駆逐して英知的の事柄としたのでは、一般にカントの二元論となり終わり、われわれの意識を超越した英知的性格の行為にわれわれが責任を持つということが無意味になってしまう。

ハルトマンはかかる積極的な規定者がわれわれの意識の中にある証拠として、一切の行為、情操に伴う自己規定の意識、責任の感、罪の意識をあげているが、これらを合理化するためにこそ自由を証明したいのである。

ハルトマンはこれらのものから自由を証明できないが、不自由は一層証明し難い、というのみである。

詮ずるところ、われわれは決定論によっても、非決定論によっても、自由の満足なる説明を今のところ見出し得ない。この倫理学上の根本問題は謎として残されている。われわれがこの上もなく明らかな自覚を持って疑わぬ自由の意識と責任の感を、合理的に説明できないということは実に人性の構造の神秘というほかはない。