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せいしゅんろん

青春論

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《青春論(せいしゅんろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,657 字 · 69 頁

青空文庫

けれども、それで僕の一生に区切りが出来るであろうか。多分区切りは出来ないと思うし、かりに区切りが出来たとしても、その区切りによって僕の生活が真実立派になるということは決してないと考える。僕は愚かだけれども、その愚かさは結婚に関係のない事情にもとづくものである。結婚して、子供も大きくなって七十になって、そうして、やっぱり、青春――どこにも一生の区切りがない、これは助からぬ話だと僕は恐れをなしてしまう。

青春再びかえらず、とはひどく綺麗な話だけれども、青春永遠に去らず、とは切ない話である。第一、うんざりしてしまう。こういう疲れ方は他の疲れとは違って癒し様のない袋小路のどんづまりという感じである。世阿弥が佐渡へ流刑のあいだに創った謡曲に「檜垣」というものがある。細いことは忘れてしまったけれども荒筋は次のような話である。なんでも檜垣寺というお寺があって(謡曲をよく御存じの方は飛ばして読んで下さい。どんなデタラメを言うかも知れませんよ)このお寺へ毎朝閼伽の水をささげにくる老婆がある。いつ来る時も一人であるが、この老婆の持参の水が柔らかさ世の常のものではない。