輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
線上閱讀久生 十蘭《顎十郎捕物帳(あごじゅうろうとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,984 字 · 28 頁
わざわざあんな高いところまで死骸を引きあげて火の中へ放りこむような廻りくどいことをしなくとも、殺しておいて火をつけりゃそれですむことじゃありませんか」
「それはなア、火をつけた奴と吉兵衛を殺した奴と人がちがう。つまり、放火と殺人はふたりの人間の手で別々にやった仕事だからだ」
「そりゃまた、どういうわけで?」
「三階から火はつけられねえ。ところで、死骸は三階からでないとここまで届かねえ。殺しておいて火をつけたほうが簡単なのに、それをしなかったのは、火をつけてしまってから、そのあとで急に、吉兵衛を殺さなければならねえ事情が出来たからだ」
「そう聞けば、いかにももっとも。でも、……ふたりの手で別々に、とはどういうんです」
「だってそうじゃないか。火の手のあがったのが四ツ半だということだったが、藤五郎は夜の五ツ半(九時)ごろ、芝浦へ小鰡の夜網を打ちに行って『大清』にはいなかったんだから、三階からこんな芸当することは出来ない。……ところで、おもんのほうは昨日いちんち家から外へ出なかったということだから、このほうは隣りへ火をつけるわけにはゆかねえ。まず、こういう訳だ」