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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

線上閱讀久生 十蘭《顎十郎捕物帳(あごじゅうろうとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,327 字 · 43 頁

青空文庫

江戸金座は元禄のころまでは、手前吹き、つまり下請制度で、請負配下が鋳造した判金を、金銀改役後藤庄三郎が検定極印をおして、はじめて通用することになっていたが、元禄八年に、幕府の財政の窮迫を救うため、時の勘定奉行萩原近江守が、小判の直吹き制度を採用することになり、本郷霊雲寺わきの大根畑(地名)に幕府直属の吹所(鋳造所)をつくり、諸国の金座人をここへ集め、金座を芙蓉の間詰、勘定奉行支配下においた。

元禄十一年に、金座を日本橋本町一丁目、常盤橋わきに移し、明治二年に造幣局が新設されるまでずっとその位置にあった。

金座は、奥行き七十二間、間口四十六間の広大な地域をしめ、黒板塀をめぐらして厳重に外部と遮断し、入口のお長屋門は日没の合図とともに閉じられ、以後、ぜったい出入禁止の定めになっていた。

黒板塀の地内には、事務所にあたる金局、鋳造所の吹所、局長の官舎にあたるお金改役御役宅、下役、職人の住むお長屋と四つの廓にわかれ、いまの日本銀行のあるところが後藤の役宅で、金吹町のあたりにお長屋の廓があった。

金局には、一口に金座人という改役、年寄役、触頭役、勘定役、平役などの役づきの家がらが二十戸ほど居住し、金座人のほかに座人格、座人並、手伝い、小役人などという役があった。