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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
線上閱讀坂口 安吾《風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇(いずこへ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,879 字 · 242 頁
それは寅さんの「桜」に対する好意であり、寅さんは又、私に甚だ好意をよせてくれたのだが(寅さんの本名を今思いだした。彼は後日、作家となった笹本寅である)私は然し寅さんの一言に眼前一時に暗闇となり、私が時事に書かされたことも実はWの指金であり好意であるような邪推が、――私は邪推した。せずにいられなかった。Wの好意を受けたことの不潔さのために、わが身を憎み、呪った。
寅さんの話は思い当ることのみ。矢田津世子は日曜毎に所用があり、「桜」の会はそのため日曜をさける例であり、私も亦、日曜には彼女を訪ねても不在であることを告げられていたのである。
如何なる力がともかく私を支え得て、私はわが家へ帰り得たのか、私は全く、病人であった。
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私はまったく臆病になった。手紙は三日目ぐらいに来つづけていた。同人の会でも会ったし、その他の場所でも会っていた。
Wのことは同人間でも公然知れわたっていた。彼等は私の心事を察して、私の前では決してそれに触れぬようにいたわってくれたが、いたわりすらも、私には苦痛であった。
創刊号の同人の座談会で、私は例の鼻ッ柱で威勢よく先輩諸先生の作品に悪口雑言をあびせつづけたものであったが、その中で一句、私の言葉に矢田津世子が同感した言葉があった。