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かぜとき からすときつね
風と木 からすときつね
小川 未明
線上閱讀小川 未明《風と木 からすときつね(かぜとき からすときつね)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 3,452 字 · 7 頁
私が、花を咲かせないうちは、こまどりも、うぐいすも、おしのように、どこかのやぶの中にすくんでいなければなりません。それを思うと、早く、花を咲きたいばかりに、ついあなたにも訴えたわけでした。」と、木の枝は、風に向かっていいました。
すると、北風は、さげすむように、ふたたびからからと笑いました。
「ほんとうに、うぐいすがそんなことをいった?」
木の枝は、なつかしそうに、
「愛嬌もののうぐいすは、ほかの鳥とちがって、美しいばかりでなく、心もやさしく、私には、しんせつなのです。」と、答えました。
北風は、かつて、雪を家来にして、野原を駈けていた時分、一本の棒の上に、うぐいすがとまっていて、北風を見て、さも感歎しながら、
「北風さん、なんというお勇ましいんでしょう。数限りない雪の家来がおありなさるほかに、あの大きな雁や、野がもまでが、みんなあなたの家来なのです。やがて、あなたが、北の故郷へ引き上げなさるときには、この雪も、野がもも、雁もあなたのお伴をして、いっしょにいってしまうのでしょう。ただ、不幸なことに、あなたには、私のような、かわいらしい唄うたいがお伴にいないことです。