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ふうぼう
風貌
小山 清
線上閱讀小山 清《風貌(ふうぼう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,448 字 · 32 頁
また楽しい時でもあったろう。「清貧譚」などもその間の消息を伝えてくれる作品の一つだと思う。太宰さんの気持の上では「清福」の一時期ではなかったろうか。躯も健康であったし、気分も明るかった。住居も綺麗であった。三鷹の家も逝くなられる前は爆撃で痛めつけられたあとで、雨漏りはするし、そのうえ太宰さんが金木にいた間は私という野蛮な留守番が住み荒らしてしまっていたので、むざんな有様であったが、この頃は建てて間もなかったし、新居の感じに溢れていた。
一週間ばかり立ってから、私は太宰さんから葉書が来るのを待ちきれなくて、出かけて行った。その二、三日前に酉の市があって、私は鷲神社のお札を買った。太宰さんに進呈するつもりであった。天井などに差して置く、あのお札である。三鷹に下りて太宰さんの家へ行く途中で、私は気がさして捨ててしまった。私はまた、木下杢太郎の「支那伝説集」を携行していた。さきの日机上に「聊斎志異」のひらかれてあるのを見て、参考になればと思ったのである。しかしこれも亦少しく殊更な気がする。
太宰さんの家の近くの生籬のつづいている道で、向うからいそぎ足でやってくる、二重廻を着た太宰さんに逢った。