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めしまつま
飯待つ間
正岡 子規
線上閱讀正岡 子規《飯待つ間(めしまつま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,525 字 · 126 頁
右へ行くも左りへ行くも手を動かすも足を動かすも皆な意志の自由である如く思うているけれど、それも意志の自由ではなくて、やはり或る原因から右に行かねばならぬように、または左りに行かねばならぬように、または手足を動かさねばならぬという必然の結果を生じたのである。そういう次第であるから、もし人間の智恵が宇宙にある悉くの現象を一々に極め尽す事の出来るものであったならば、未来の事でも判然とわかってしまう訳である。しかしとてもそういう事は出来る事でなくて、ただ僅かによく未来を想察する事が世の中に立ってエライと言われて居るのだ。しかしそのエライという人も必然の結果で豪らい人に成ったとすれば、ちょうど人間世界にエライ人とエラクナイ人とあるのは、植物に高い木と低い木とがあり、動物に美しい鳥と醜い鳥とがあるのと同じことになってしまう。どうしても僕は小供の時分から今に至るまで唯物説の傾向を脱せぬと見える」と僕は答えた。そうすると坊さんが言うには「今のお話しのうちの意志の自由を打消すという事は吾々の宗旨で平生いう所の他力信心に似て居る」というた。
〔『ホトトギス』第五巻第七号 明治35・4・20 一〕