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ほねをけずりつつあゆむ
骨を削りつつ歩む
佐左木 俊郎
線上閱讀佐左木 俊郎《骨を削りつつ歩む(ほねをけずりつつあゆむ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,044 字 · 10 頁
私は震災の時には、二人の鮮人を救おうとしたので、もう少しで殺されるところであった。――その当時のことを詳しく書いた「恐怖の巷」は、近い中に単行本で出版されると思う。――その揚句にはまた、私は複雑した関係から市役所を馘首になり、妻と二人で浮草のように漂泊しなければならない身となった。そして遂には、寒い真冬を目がけて北国の田舎へ行かねばならなかった。私達はその時泣いた。
田舎では、私は半労働をしながら創作を続け、妻は呪われた自分達の運命を泣き暮らした。そして翌一九二四年の早春、私が監獄部屋を背景とした長篇と、農村を描いた中篇小説とを書き上げた頃、妻は女の子を産んだ。私達の生活はなお一入苦しくなって来た。だが私達は、私がさらに五篇の戯曲と三篇の短篇小説を書き上げる間、苦しい生活の中に堪えていた。
そして私は四月の上旬に、この十篇の創作を抱いて東京に出た。どこかへ売りつけようという目論見ではあったが、つい気がひけて出来なかった。
労働しながらの創作
私が作家として立とうと決心した時既に、いつかはこういう生活が来るだろうと覚悟はしていたのであったから、別に狼狽はしなかったが、私達は全く生活に困ってしまった。