輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まぞう

魔像

林 不忘

線上閱讀林 不忘《魔像(まぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 頁

青空文庫

仇敵を持つ身――芝居や戯作では面白いが、さて、現実に自分がそれになってみると、あんまり気もちのいいものではない。

登城下城に、それとなく、要心していた。

三

が、日も経った。いくらか安心していた大迫玄蕃である。その安心がいけなかったのだ。

おやッ! 刀に綱がかかっている。これでは、急に抜こうにも抜きようがない――ハテ! 何やつが、いつの間に忍び込んで、かようなことを、したのであろう――?

と、正面の障子に充分の注意を集めながら、まず、刀の綱を解いて置かねば、イザという場合に……大迫玄蕃、うしろ足に床の間へ近づきながら、心中に考えてみた。

今日は昼御番だった。下城帰宅したのが暮れ六刻、一風呂浴びて夕食、いまその食事が下げられて、奥をはじめ子供達は部屋へはいり、家臣は早く戸締りを見て、これも下へ引きとって間もなくではないか。

自分はすぐ、この奥まった座敷に独り残って、好きな謡曲の稽古をはじめた。あれから何刻も経っていないはずである。まだ早いのか晩いのか、どこかで寺の鐘でも鳴らないか――と、大迫玄蕃が耳をすますと、台所で洗い物をする音がかすかに聞えて、折助どもの笑い声もするようだ。