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まぞう

魔像

林 不忘

線上閱讀林 不忘《魔像(まぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 頁

青空文庫

いつの間にかそれは、あの、騒動の発端の再演になっていた。

ひれ伏している喬之助の肩が、細かくふるえている。

「うむ、また泣いておるな」

「発見されて、ここで命を落すのが口惜しいのであろう」

飽くまでも衆を頼んでいる一同である。やにわに、笠間甚八がズカズカと出て行って、

「泣きおる。それは面白い。一つその口惜しがっておる面を見てやれ」

「そうじゃ。そうじゃ」日向一学が、止せばいいのに背後のほうから唆しかけて、「髷を掴んで引き起すのじゃ」

中にひとり、元日の時の成往きを覚えているのがあって、

「ナニ、それは、其奴の法じゃ。泣きよると見せかけて笑いおるぞ」

大勢集まれば、気が強くなるに決まっている。殊に、名打ての三羽烏をはじめ、源助町の連中も十数名控えているのだから、気の強いことこの上無しだ。

「髷を掴んで引き起すのじゃ」

一学が言い切らぬうちに、

「構わぬ。コヤツ……」

と、呻いた笠間甚八である。髷をひッ掴んで顔を釣り上げようと喬之助のほうへ手を伸ばした。

その時である。

「うふッ」叩きつけられたように伏していた喬之助が、噴飯したのだ。「あははははは、御苦労な! 土偶人形の勢揃い……カッ! これでも喰えッ!」