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まぞう

魔像

林 不忘

線上閱讀林 不忘《魔像(まぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 頁

青空文庫

「淡路殿、御返答ばし承わりたい」

「エッヘン! 返答? 何の返答じゃイ。わしにはさっぱりわからん。あアン?」

近藤相模守が、論争をぼやかすべく、また呆けて顔を突き出した。銘めい、となり近処と小さなグルウプを作って、思い思いにひそひそ話し込んでいた一同が、これで、ひとつの長閑な笑い声を立てると、その中の間の一枚あけ限りになっているお杉戸のかげに隠れてすわって、さっきからその議論に聴耳を立てていた人かげが、同時に眼じりに皺を刻んでにっこりした。

越前守忠相である。

許されて、奉行として、中の間の陰聴きをしているのだ。

四

「ムッ――!」

火と熱した白刃だ。乱剣に夜は更けて、闘う者は、声もないうなぎ畷、長岡頼母の屋敷では、降って沸いたような血戦に家族は近くの相識の家に避難して、いつの間にか、気のきいた者が襖障子を取り払い、縁に近い庭に仲間がかがり火を焚いて、屋内にも燭台を立てならべ、明々とかがやいてまるで白昼のよう……そこの廊下の角、かしこの物かげから、自在に出没する二人の神尾喬之助――喬之助と右近――を、御番残士と源助町の勢は一人とばッかり思いこんで、白刃をひッさげた長岡頼母、博多弓之丞、飯能主馬の三人が、