輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
まぞう
魔像
林 不忘
線上閱讀林 不忘《魔像(まぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 頁
大盃を引きつけて、造酒、晩酌が今までつづいているのだ。
呼ばれたのは、造酒の妾のようになっている年増のお六である。
前にすわって、横を向いてボンヤリ考え込んでいたのが、
「何ですよ」
「酌をしろ……」
杯を突き出しながら、造酒はちょっと聞き耳を立てた。
玄関に当って、人声がする。
「出てみましょうか。誰か来たようでございますよ」
「うむ、ナニ、お前が出なくても、誰かいるだろう」
「でも――」
「貴様は、出んでもよい。それより、酒を持って来い」
「そんなに召上って――」
「持って来いと言ったら、持って来い」
お六が、仕方なしに立って台所へ行くと、間もなく、縁の障子があいて、取次ぎの門弟が顔を出した。
「先生」
「何だ。客か……」
「はい、脇坂様から、お約束の品を届けに参ったとか申しまして――」
「ナニ、届けの品……脇坂殿から――」
「はい」
門弟はクスクス笑い出して、
「若い娘を駕籠に乗せまして……」
「おウ、いつぞやの約束、そうか」
造酒が相好を崩した時、かしこまっている門弟のうしろに人影がうつって、
「御めん下さいまし。勝手に上りこんで参りました――さあ、こちらへ。そう何も怖がることはない」