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はとつかい

鳩つかひ

大倉 燁子

線上閱讀大倉 燁子《鳩つかひ(はとつかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,680 字 · 30 頁

青空文庫

立松は刑事と共に東京駅に馳け付けた。乗車口の前に赤星は待ちかねたように突立っていて、車が停らぬうちにひらりと飛び乗り、扉を開けて入りながら運転手に、

「赤坂のフジヤマ・ホテルだ。手前で停めてくれ」と云って、立松の隣りに腰を下した。

「向うへ着かない前にざアッと始めから話しておきましょう。鳩つかいに興味を持っている佐伯田博士はたった一人でこの事件を研究していたんだ。皆も知ってる通り、鳩つかいはダイヤを買い取った人やその真価をよく知っている。こいつあ宝石商と共謀かあるいは関係のある奴の仕業だと睨んだ。殊によると宝石商自身であるかも知れない。杉山氏に鳩が来た前日、彼は東京中の有名な宝石商の店に行き、ショー・ウインドウに飾ってある宝石を見せてもらい、値段を訊いて歩いたが一つも買わなかった。博士は一軒一軒違った品を見せてもらった、まず天華堂では真珠の頸飾、香取の店ではダイヤの指輪、田屋ではルビーの帯留、玉村ではエメラルドのピン、というように、――博士の考えはこうだったんだ。どの宝石商にもこの人は宝石を買ったなと思わせ、自分の処へ鳩が来るのを待っていた。もし鳩がダイヤを要求すれば香取を疑い、ルビーと云えば田屋を、――ところが天華堂の店で尋ねた真珠の頸飾を所望して来たんだ。