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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《黄金豹/妖人ゴング(おうごんひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,404 字 · 307 頁
ですから、窓のほうは、すこしも心配することがありません。そんなところを、よじのぼってこられるはずはないのです。
マユミさんは、朝から、その寝室にとじこもり、昼の食事は、小林君にはこんでもらって、部屋の中ですませましたが、午後になると、そうしてじっとしているのが、たいくつになってきました。
いままで、本を読んでいましたが、それにも、あきてしまったのです。
午後三時ごろでした。窓の外の、がけの下から、パーンと、なにか爆発したような音が聞こえてきました。
マユミさんは、びっくりして、窓のほうをふりむきましたが、すると、そのガラス窓の外を、赤、青、むらさき、黄色などの、うつくしい玉が、いくつも、いくつも、つぎつぎと、空のほうへのぼっていくのが見えました。
空は、どんよりと曇っていましたが、その白っぽい雲の中へ、五色の玉が、スーイ、スーイとのぼっていくのです。
マユミさんは、あまりのうつくしさに、まぼろしでも見ているのではないかと、びっくりしましたが、よく考えてみると、それは色とりどりのゴム風船のようでした。がけの下で、風船屋がそそうをして、つないであった糸がきれて、ぜんぶの風船が、空へ飛びあがったのかもしれません。