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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《黄金豹/妖人ゴング(おうごんひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,404 字 · 307 頁

青空文庫

恐ろしく大きな豹です。あと足で立ちあがって、前足を窓のしきいにかけ、部屋の中を、グッと、にらみつけ、まっ赤な口を開いて、「えへへへ……。」と笑っているのです。

動物は笑えないはずです。豹が人間のような声で笑うなんて、聞いたこともありません。それだけに、なんともいえないほど、きみが悪いのです。

小林、園田少年は、へたへたと、イスにたおれこんだまま、身動きすることもできません。目は怪獣の方にひきつけられて、そらそうとしても、そらすことができないのです。

怪獣は、ニューッと窓の中へ、その恐ろしい顔をつきだして、人間のことばで、ものをいいはじめました。しかし、それは人間の声ではなくて、なにかが、すれあうような、ひどくかすれた音でした。ささやき声を、ラウド=スピーカーで大きくしたような、じつにいやな音なのです。

「園田君、きみのおとうさんは、豹の絵や豹のおきものや、豹の毛がわや、豹に関係のあるものなら、なんでも集めているね。それほど豹がすきなんだね。だからおれは、きみのおとうさんが大すきだよ。

ところでね、おれは、おとうさんが、いちばんだいじにしている、豹のおきものがほしいのだ。