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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《黄金豹/妖人ゴング(おうごんひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,404 字 · 307 頁

青空文庫

すると、そのあくる日の朝のことです。またしても、恐ろしい事件がおこりました。

その朝、武夫君は学校へいくまえに、おとうさんのいいつけで、応接室においてあった西洋の本をとりにいきました。

広い、りっぱな応接室です。丸テーブルをかこんで、大きな安楽イスや、長イスがならんでいます。床には、じゅうたんを敷きつめ、その上に、おとうさんのすきな豹の毛がわが、いくまいもおいてあるのです。長イスの上にも、大きな豹の毛がわがかけてあります。毛がわには四本の足と、しっぽがあり、頭だけは、はく製になっていて、まるで生きているようです。目にはガラスをはめ、口には牙をうえ、耳がぴんと立ち、いまにも、ウオーッとほえるのではないかと思われるほど、よくできています。

長イスの上にかけてある毛がわの頭は、ひじかけの外がわに、がくんとたれていました。はく製の頭がイスの中にあっては、こしかけるじゃまになるからです。

武夫君が、その応接室にはいって、いいつけられた本を持って、入口のドアの方へ、歩いていたときです。長イスのはしにたれさがっていた、はく製の豹の頭が、スーッと動いたような気がしました。