輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
線上閱讀甲賀 三郎《黄鳥の嘆き(こうちょうのなげき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 40,792 字 · 82 頁
いよ/\こゝへ行きかけた時に、私は泣きとうなりましたな。御承知の通り乗鞍岳は御嶽さんの南にある山だして、御嶽さんよりは鳥渡低いが、三千メートル上あります。北アルプスでは一番南よりの山で、割に登りよいのだそうだすが、どうして、年中雪のある山で、えらいこと、お話しになりまへん。何しろ、今から三十年も以前の話だすさかい、道は悪いし、途中に泊る小屋はなし、私は何の因果で、探偵になったのかいな思いました。南と北の新地で浮かれていた時とは、えらい違いだす。
和武の登った路は、島々ちゅう所から、梓川ちゅう川に沿うて、野麦街道から奈川渡に出て、そこから、大野川に行って、山にかゝり、降りる時は、飛騨側の北平の雪渓を渡って、平湯鉱山から平湯に出て、それから高山へ出たらしいのだす。私もその通り行くことにしました。
登り路は只えらいだけで、別にお話しはございまへん。えゝ景色やなアと思う所もおましたが、辛い方が主で、私は仕事で登りますのやさかい、仕方がありまへんが、こんな所へ楽しみで登らはるとは、一体どういう気やろと、つく/″\思いました。
和武の登ったのは、もう四五年も以前の事だしたけれども、当時は滅多に人の行く所ではありまへんから、人夫達はよう覚えておりました。