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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《黒田如水(くろだじょすい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 頁
ちょうど官兵衛は、この陣にいなかった。ある密命を持って、彼は、備前の岡山へ潜行していたのである。――で軍師竹中半兵衛を招いて、安土よりかくかくの御命であるが、どうしたものかと諮った。
半兵衛は、水の如くいった。
「お退きになるべきです。安土の御命には反けません」
「どうしても、それしかないか」
「ただ、お引揚げの時刻を一夜だけ延ばして、その間に、城中へお使いを忍ばせ、決死、脱城して、味方に合せよと、最後の連絡をお図りあるより他に策もございますまい。それも至難とは存じますが」
「亀井茲矩をやってみよう」
そうして、彼はなお一夜中、城中から脱出して来るのを待ってみたが、結局、それは不可能であった。何としても、毛利の厚い包囲環を突破してこれへ来ることができないのであった。
いよいよ陣払いして、そこを去るまで、秀吉は、孤城の味方をながめて、繰返し繰返し嘆いていた。
「彼等は実に、大永四年以来、五十七年の長き間を、怨敵毛利家と戦いつづけ、父子二代三代にかけて、尼子の再興を念願し、こうして織田軍の西下を機に、信長公におすがりして、味方となって一功をも挙げて来た者なのに――今、それを打ち捨てて尼子勝久も山中鹿之介をも、見殺しに遊ばされては、この秀吉ごとき一将の立場はともあれ、信長公ともある御名の名折れ、やがて中国筑紫の果てまで