Japanese reading practice

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Read 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 101,908 characters · 204 screens

Aozora Bunko

お前さんは、なにをするために、師父などに化けて、日本へのりこむのかね。そのわけを、ちゃんと書いてある重要書類袋を、こっちへ早く渡しなせえ。青い封筒に入って、世界骸骨化本部の大司令のシールがぽんとおしてあるやつさ」

「……?」

師父は、おどろいたのか、だまっている。

「おい、ターネフ首領。どうするつもりだい。汽船は、どんどん沈んでいくぜ。もうすこしすれば、第二の爆発が起って、この汽船は、まっ二つに割れて、真暗な海にのまれてしまうのさ。信号をしたくはないのかね。『計画ハ、クイチガッタ、我等ハココニアリ、至急スクイ出シ、タノム』と、信号したくはないのかね。ほら、下をごらん、甲板をもう波が、あんなに白く、洗っているよ」

トラ十の、毒々しいことばがきいたのか、師父は、このとき、急にすなおな口調になって、

「しかたがない。われわれの命にかえられないから、青い封筒入の重要書類を君に渡そう。だから、この手をはなしてくれ」

「おっと、おっと。その手には乗るものか。もう一方の手で、青い封筒を出せよ」

「そんなことをすれば、縄梯子から、おちる」

「大丈夫だ。お前さんの右手は、こうしておれがしっかり持っているから、大丈夫さ」