Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Read 雑居家族 (ざっきょかぞく) by 壺井 栄 (つぼいさかえ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 140,106 characters · 283 screens
中にはなにがはいっているかはわからなかったが、それをさげてゆく兵六さんのあとについて、夏樹もそとに出た。門の前に例の車がおいてある。
「さ、これがおじさんのお店だ。一つ、やってみようか。」
さすがに門前をはばかってか、兵六さんは車を引っぱりながら、得意の声をはりあげた。
――ええ、まいど有りがとうございます。おなじみの雑貨屋がやってまいりました。荒物にかなもの、化粧品に雑貨、子供のおもちゃからだんなさまのひげそり道具、何でもとりそろえてございます。――
夏樹はびっくりしたようすで、兵六さんの顔をみながらついてゆく。ちょうど商売によい時間だった。四辻の日かげに車をとめて、兵六さんは道ゆく人や家々の中へ呼びかける。
――かな網にもちあみ、コップにせんぬき、しゃもじにさいばし、タワシに渋うちわ、何でも十円均一の大特売でございます……
「兵六さん、おもちゃのこと、いわないの。」
「あ、そうか、パパン パンと鳴るピストルだったな。ほい、これが火薬。」
金属製のピストルに、豆しぼりのような火薬の紙をそえてわたすと、夏樹は心から恩義を感じたらしく、ピストルを両手ではさむようにして、