Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Read おごそかな渇き (おごそかなかわき) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 36,042 characters · 71 screens
彼は深い感動にうたれ、殆んど涙ぐましくさえなった。
このあいだに、りつ子は魚の一尾ずつの頭を石で叩いて殺し、焚火のまわりにある熱くなった石の上へ魚を並べた。魚というものは捕ったらすぐに殺しちまわないと、味がおちてしまうとか、いちばんうまく喰べるには、こうして熱くなった石の上で焼くのがいいのだとか、もし囲炉裏があるなら、竹串に刺して煉り焼きにするのがいちばんうまいのだとか、おとなびた口ぶりで話し続けながら、焼けてくる魚に塩を振りかけたり、幾たびも裏表を返したりした。
しみとおるように、すがすがしい山の空気と、高い流れの音を聞きながら、川にまだそんなに魚のいる、という感動にひたっていた。
――日本の近海から魚類がいなくなり、インド洋やアフリカや地中海まで漁撈にでかけなければならない。